怪奇さん

ありとあらゆるホラーの溜まり場。



かくれんぼ

僕が小学生の頃のお話です。

 

僕には兄弟が四人いて家の中も外も問わず、よく遊んでいました。

 

その日も仲良くかくれんぼをしていたのです。

 

我が家は二階建ての一軒家で、隠れようと思えばそれなりに隠れる場所はあります。

 

その日は僕が鬼で、下の子たち3人を探していました。

 

簡単にも5分ほどで2人を見つけることができました。

 

あとは妹一人を見つければ僕の勝ちです。小学生らしく「出てこいよー!」などと言いながら探しました。

 

一階は探しても探しても見つかりません。じゃあ二階かと、まず何気なく二階の僕の部屋を探しに行ったのです。

 

ところがカーテンの裏にも押し入れの中にもいません。

 

じゃあこの部屋はベッドの下にいなければもういないな、そう思って僕は屈んでベッドの下を探しました。

 

「みつけた!」

 

僕はそう叫びました。

 

「なんだよわかりやす!」

 

なんて言って立った時に気付くのです。

 

なんだあの太い毛の生えた足は、と。

 

僕が捜していたのは妹です。そもそも父親は仕事でいません。そんないわゆるおじさんのような足の人はいないのです。

 

「うわあああ!」

 

叫びながら急いで階段を下りました。

 

「足が足が!」

 

急いで兄弟に説明して自分の部屋に連れてきました。

 

しかし、ベッドの下には何もありません。

 

妹は結局お父さんの部屋にいました。

 

最近聞いた話ではこの家はもともと墓地のあった場所であったそうです。他にも僕の部屋には親子二人が間借りして住んでいたことなどいろいろ聞きました。

 

まあ家族全員がリビングにいるのに階段を下りる音が聞こえたり、皆が寝ている時間に廊下を歩く音がしてみても誰もいない、窓の外を人が通ったように見えたのに誰もいない、玄関に作業服姿の男が見えたなど、こんな家なら仕方ないのかもしれません。

 

書きながら鳥肌が立っていますが、今も僕はこの部屋で生活しています。

 

ベッドの下は板でふさぎましたが。